不具合情報 : 2008年6月アーカイブ

 2006までのFinaleでは、既に長休符として括られている部分に音符を入力しても、長休符が更新されず、冒頭の1小節分しか表示されないという問題があったが、2007からは、これを回避するために、ファイル別オプションの「長休符」の項目に、「長休符の自動更新」というオプションが追加され、デフォルトでオンになっている。


measurerestdlg.jpg

 Finaleの長休符は、括られる小節の数にかかわらず、つねにデフォルトで設定された小節幅になってしまう。しかし、出版譜では、長休符は括られる小節の数に応じて変化させるのが一般的だ。


measurerest1.jpg

 Finaleも長休符小節の幅を手動で変えることができる。しかし、いくら長休符小節の幅を一生懸命に調節しても、「長休符の自動更新」がオンになっていると、スコアや別のパートに切り替えた瞬間にすべてがデフォルトにご破算されてしまうのだ。


measurerest2.jpg

全部同じ幅に戻ってしまった

 「出版譜のように小節幅を変えなくてもいいので関係ないや」と思う人もいるかもしれないが、じつはそうでもない。長休符の直後にクレフチェンジが行われる場合、デフォルトの状態では音部記号が長休符のバーとみごとに衝突する。スペーシングオプションに、音部記号を衝突回避対象に含めるチェックがあるが、長休符にはこれは効かない。この衝突を回避するには、長休符のバーの終点位置を調整する必要があるのだが、「長休符の自動更新」がオンになっていると、やはりこの調整も虚しくご破算されてしまうのだ。


measurerest3.jpg

せっかく音部記号のためのスペースを空けても......

measurerest4.jpg

「長休符の自動更新」がオンになっていると元の衝突した状態に戻ってしまう

 以上のことから、長休符を調整する可能性のある場合は、以下のことに注意する必要があるだろう。

  • 音符入力中は「長休符の自動更新」は必ずオンにしておく。
  • 音符の入力が完了し、長休符の括りが確定した時点で「長休符の自動更新」はオフにする。長休符の調整はこの後行う。
  • もし、長休符内に音符を入力する必要が生じた場合は、「長休符の自動更新」はオフのまま、編集対象の長休符を選択し、「長休符>作成」を使って更新する。

 とりあえずこれを守れば、せっかくの苦労が水泡に帰すことは回避できる。

 しかし、この「長休符の自動更新」オプション、更新するのは長休符の括りだけにして欲しいものだ。

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